ローカライズ

場違いなフォントがゲームの雰囲気を変えるとき

フォントは文字を表示する道具であると同時に、ゲームのビジュアルの一部でもあります。このスロットのゲーム開始前の韓国語画面では、伝統的な筆文字風の書体がアートワークと衝突しています。日本語のゲームで、画面の雰囲気に合わない行書体が突然現れるような違和感です。

ゲーム開始前の三つの機能説明カードに筆文字風の書体で表示された韓国語の文章
[ゲーム開始前の機能説明画面に使われた筆文字風の韓国語書体]

確認された問題

アールスリースピンのブレイジング・フルーツ・ファラオ・フレイムリンク・ウィナーホイールでは、ゲーム開始前の案内画面にある韓国語の機能説明に、アートワークや画面デザインと合わない伝統的な筆文字風の書体が使われています。文字は読めても、ローカライズされた画面だけが別の製品のように見えます。ゲームに入る前に見る画面のため、書体の違和感が第一印象を左右します。

日本語のゲームで、その画面に似合わない行書体を突然使った場合を想像すると分かりやすいでしょう。行書体そのものが悪いわけではありません。問題は、このゲームが伝えるべき雰囲気と書体が合っていないことです。

問題の分析

行書体のような伝統的な筆文字は、それに合わせて画面全体を設計すれば効果を発揮します。しかし、文字を表示できるという理由だけで韓国語版に当てはめると、元のアートワークとローカライズされた文字の間に表現上の断絶が生じます。

ローカライズでフォントを選ぶ際は、文字を表示できるかだけでなく、線の形や太さ、装飾性、数字との調和、ゲームが伝えたい印象まで考える必要があります。それを欠くと、文章は翻訳されても画面のデザインは適切にローカライズされません。

考えられる解決策

韓国語の字形が十分に揃った候補を複数比較し、元のアートワークと並べて評価する必要があります。ゲーム開始前の案内画面を優先し、タイトル、ポップアップ、数字の多いゲーム画面でも確認すれば、一つの画面でだけ成立する選択を避けられます。

ゲームの個性を保つために、すべての言語で同じ形のフォントに固執する必要はありません。各言語で同じような視覚的役割を果たす書体を選び、サイズや字間、エフェクトも合わせて調整する方が有効です。原語のままでも理解できる装飾的なアートワークなら、それを残し、必要な説明を別のローカライズされたテキストで補う方法もあります。

問題の適用範囲

確認できた不一致は、このスロットの韓国語版のゲーム開始前の画面にあります。ほかの言語版でも同じ問題が起きているとは言えませんが、問題の性質は韓国語だけに限りません。

日本語や中国語では収録すべき文字数や画数が多く、アラビア語、タイ語、ヒンディー語では文字の連結や結合を含む表示上の配慮が必要です。ラテン文字の書体より適した候補を探して評価するのが難しい場合があり、制作・ライセンス・流通の事情も言語圏によって異なります。その言語の視覚的な慣習に不慣れなチームは、表示自体は正しくてもゲームに合わないフォントを選んでしまうおそれがあります。

潜在的なリスク

このゲームでは、リールを見る前から書体の違和感に触れます。ゲームの雰囲気を伝え、プレイへ導く画面だからこそ、ここで期待感を損なうと、遊び始める前に製品の印象が下がります。

ラテン文字では書体の選択肢が広く、タイポグラフィそのものをアートワークの中心に据えやすくなります。しかし、特定のフォントの形に強く依存するゲーム内ポップアップや画像は、別の文字体系で同じ印象を再現しにくくなります。原語版では洗練されていても、ローカライズ版では粗く見える原因になります。

設計段階で、どの文字を画像に固定し、どの要素を言語別の書体やレイアウトとともに変更するかを決めるべきです。見れば分かる装飾的な文字を無理に置き換えてアートワークを損なうくらいなら、原語のまま残し、プレイヤーに必要な情報を別途翻訳する方法もあります。特定のフォントへの依存度が高いほど、多言語のアートワーク制作と確認にかかる費用も初めから見込む必要があります。

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